土壌汚染対策法 土壌汚染の健康リスク
土壌汚染があっても、すぐに私たちの健康に悪い影響があるわけではありません。土壌汚染対策法では、土壌汚染による健康リスクを以下の2つの場合に分けて考えています。
@地下水等経由の摂取リスク:土壌溶出量基準
土壌に含まれる有害物質が地下水に溶け出して、その有害物質を含んだ地下水を飲んで口にすることをによる健康被害のリスク例:土壌汚染が存在する土地の周辺で、地下水を飲むための井戸が存在する場合。
A直接摂取リスク:土壌含有量基準
有害物質を含む土壌を口や肌などから直接摂取することによる健康被害のリスク例:子どもが砂遊びをしているときに手に付いた土壌を口にする、風で飛び散った土壌を直接吸って体内に入ってしまう場合。
要措置区域の指定に係る基準
分類 | 特定有害物質の種類 | 土壌溶出量基準 (mg/l) |
土壌含有量基準 (mg/kg) |
第二溶出量基準 (mg/l) |
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第一種特定 有害物質 (揮発性有機化合物等) |
四塩化炭素 | 0.002以下 | − | 0.02以下 |
1,2-ジクロロエタン | 0.004以下 | − | 0.04以下 | |
1,1-ジクロロエチレン | 0.1以下 | − | 1以下 | |
1,2-ジクロロエチレン | 0.04以下 | − | 0.4以下 | |
1,3-ジクロロプロペン | 0.002以下 | − | 0.02以下 | |
ジクロロメタン | 0.02以下 | − | 0.2以下 | |
トリクロロエチレン | 0.01以下 | − | 0.1以下 | |
1,1,1-トリクロロエタン | 1以下 | − | 3以下 | |
1,1,2-トリクロロエタン | 0.006以下 | − | 0.06以下 | |
テトラクロロエチレン | 0.01以下 | − | 0.1以下 | |
ベンゼン | 0.01以下 | − | 0.1以下 | |
クロロエチレン | 0.002以下 | − | 0.02以下 | |
第ニ種特定 有害物質 (重金属等) |
カドミウム及びその化合物 | 0.003以下 | 45以下 | 0.09以下 |
六価クロム化合物 | 0.05以下 | 250以下 | 1.5以下 | |
シアン化合物 | 不検出 | 遊離シアン 50以下 |
1以下 | |
水銀及びその化合物 | 0.0005以下 アルキル水銀は不検出 |
15以下 | 0.005以下 アルキル水銀は不検出 |
|
セレン及びその化合物 | 0.01以下 | 150以下 | 0.3以下 | |
鉛及びその化合物 | 0.01以下 | 150以下 | 0.3以下 | |
砒素及びその化合物 | 0.01以下 | 150以下 | 0.3以下 | |
ふっ素及びその化合物 | 0.8以下 | 4000以下 | 24以下 | |
ほう素及びその化合物 | 1以下 | 4000以下 | 30以下 | |
第三種特定 有害物質 (農薬等) |
ポリ塩化ビフェニル(PCB) | 不検出 | − | 0.003以下 |
チラウム | 0.006以下 | − | 0.06以下 | |
シマジン | 0.003以下 | − | 0.03以下 | |
チオベンカルブ | 0.02以下 | − | 0.2以下 | |
有機りん化合物 | 不検出 | − | 1以下 |
- 土壌溶出量とは土壌に水を加えた場合に溶出する物質の量を、土壌含有量とは土壌に含まれる物質の量をいう。
- 土壌溶出量は環境省告示(第18号平成15年3月6日)、土壌含有量は環境省告示(第19号平成15年3月6日)により測定したもの。
- 「不検出」とは、2に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。
- 有機りん化合物とはパラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトンおよびEPNをいう。
- 第一種特定有害物質のうち、ベンゼンを除く揮発性有機化合物10項目がDNAPLsに分類され、ベンゼンはLNAPLsに分類される。